将棋界の色々な問題を凝縮したような面白い事件なのですが、将棋や将棋界に詳しくない人にはよく分からない事が多いです。
2chの該当スレッドの冒頭説明では、
とありますが、残念ながら騒動の登場人物の豊かな個性や将棋界の不可思議さまでは、とても紹介しきれていません。優勝賞品は「マグロ丸ごと1匹」!!
このユニークなマグロ名人戦を育てた将棋連盟三浦支部が
あろうことか総本山の将棋連盟の介入で消滅してしまう・・・
そこで将棋界の知識がなくても分かるように、このページでは、時系列に沿って騒動の流れや背景を説明して行きたいと思ってます。
ブログを書いたのは、将棋の駒を作ってる職人の鵜川善郷氏(57歳)。
同氏は将棋工房「御蔵」のブログに、マグロ名人戦で起こった出来事の題名で次のような記事をあげました。
えーと、既に将棋界に詳しくない方には、何がなんだか分からない事だらけかも知れません。・マグロ将棋大会はボランティアを募り、出来るだけ手弁当で多くの人たちに参加をしていただくため、参加費を安価にして、マグロを商品とて喜んでいただくための大会です。
・LPSAは、一昨年より協賛として運営をお手伝いしております。
・連盟理事立会いの下、「連盟に反する団体と協賛するならば除名する」と通告を受けました。
・三崎支部は「除名されるくらいならば」と会費を納入せず、自然退会との形で解散し、新たに横須賀支部として現在に至ります。
・(大会主催者の)Oさんよりの「書き込んでくれ。」という言葉にはそのやるせない怒りが込められていました。
一つずつ説明していきましょう。
まず、マグロ将棋大会とは正式には「三浦三崎マグロ争奪将棋大会」という市民将棋大会のことで、昨年まで32回開催されています。
アマチュアの将棋大会で、参加するのも主催するのも一般の将棋好きのおじさんで、羽生名人やZONEの人とかのプロ棋士は出場しません。
参加者が参加費(2500円)を払い大会に参加、優勝や上位入賞すれば賞状や賞品がもらえたりします。
はじめは町興しの小さな市民大会だったのですが、優勝賞品が「マグロ丸ごと1匹」というユニークさが受けて、今では全国有数のローカル将棋大会となっており(と言っても300人前後)、通称「マグロ名人戦」とかマグロ大会と呼ばれています。
次にLPSAですが、日本女子プロ将棋協会の略称です。一昨年日本将棋連盟から独立を果たした女流棋士(女性のプロ棋士)の団体です。
「連盟」とは日本将棋連盟のことで、羽生名人やハッシーが所属しているプロ棋士の所属する組織です。会長は米長邦雄(65歳)です。
三崎支部とか横須賀支部は、日本将棋連盟の地方支部の事です。将棋連盟では、将棋ファンが会費を払うことで個人でも団体でも支部を名乗ることが出来、全国各地にこうした支部があります。有料のファンクラブとでも思ってください。よくある〇〇市民将棋大会は、この地方支部の人たちが主催していることがほとんどです。
マグロ名人を主催しているのもこの支部の一つの三崎支部の人たちです。
以上のことを踏まえてブログの内容を要約すると
となります。・マグロ名人戦はファン主催の町興しの手作りの将棋大会
・将棋連盟は後援団体のうちの一つに過ぎない
・連盟が「連盟に反する団体が協賛するなら支援しない」と突如後援拒否
・再考を促したら、ファンクラブからの「除名」を通告された
・「除名されるよりは」と自主退会、三崎支部解散
・残ったのは大会主催者のやるせない怒り
感想を言うならば、「日本将棋連盟=極悪」に尽きます。
-小さな漁業の街の将棋大会-
-町興しと将棋の普及に32年間奔走してきた三崎支部の有志たち-
-彼らに除名を突きつけ解散に追いやる将棋連盟-
このあまりにも酷く分かりやすい展開に普段は過疎ってる2ちゃんねる将棋板住人も怒りをあらわにします。
「連盟に反する団体と協賛するならば除名」と言っており、マグロ大会が「暴力団」や「新興宗教」と関わりがあるなら除名も当然と思う人もいるかもしれません。
実は今も、「連盟に反する団体」とは何かを将棋連盟は明らかにしていません。
しかし、将棋ファンたちにはすぐに分かることなのです。
「連盟に反する団体」=LPSA
詳しくない方は同じ競技の女子組織が、「男子組織に反する団体」となることは理解できないかもしれません。
しかし、2ちゃんねる将棋板では当然の前提で進んでおり、2ch上のコピペでも
とあり、将棋連盟とLPSAの対立がマグロ名人戦に飛び火したというのは将棋ファンにとっては、誰の目にも明らかなことのようです。ことの経緯は、将棋連盟から女流棋士が独立し日本女子プロ将棋協会(LPSA)が結成されたことに始まる。 この独立に際して様々トラブルが発生し、現在では将棋連盟とLPSAは冷戦状態となっている。
この冷戦が飛び火したのである。
将棋ファン以外の方に簡単に説明すると、
・一昨年の女流棋士の独立に際し、連盟との交渉が難航した
・また女流棋士自体も分裂し、多数の女流棋士が連盟に残留することになった
・少数派の女流棋士だけで設立したのがLPSA
・この際、将棋連盟の米長会長とLPSAとの間で様々なバトルが展開された
・この年のマグロ名人戦からLPSAが協賛で参加
という流れになります。
そして昨年のマグロ名人戦に際しての連盟への後援依頼時に、
との文書回答が送られてきたことから、他の団体=LPSAが容易に推測できるわけです。当連盟の棋士に声がかからず、他の団体の棋士が運営に関わるということであれば、当連盟は後援をさせて頂くことを再考せざるを得ない
他に問題になりそうな後援団体があるかと思い、私も調べてみたのですが、三浦市役所や三浦市観光協会や商工会議所、神奈川新聞などでどこも問題になりそうな団体はなく、そもそも棋士がいません。
三崎支部の人たちもLPSAの協賛が連盟の後援の障害となっていると受け止めました。
しかしLPSAは、前年度の大会に無料で複数の女流棋士を派遣するだけでなく、大会の審判長や賞状署名やその他雑事なども手伝うなど、名義だけ貸していた連盟にはるかに勝る支援をしてくれたことから、三崎支部の人たちにはLPSAを排除することなど出来ない相談でした。
2ch上のコピペで説明すると、
となります。連盟「マグロ名人戦?10万円だしたら棋士派遣してやるよ。」
↓
LPSAに頼んでみる
LPSA「無料でいいですよ、是非協力させてください」
↓
連盟「LPSAを使うならお前ら除名www共催にするなら勘弁してやるwww」
↓
三崎支部消滅
日本将棋連盟=極悪と言われるのも当然だと思います。
コピペ中の 「共催にするなら」とは、大会主催者と連盟の話し合いの中で、連盟側の提案の中にあったそうです。もちろんこれも、32年間市民たちの自主運営でやってきた思い入れの観点からも受け入れ難いものです。
将棋ファンは、同じ将棋の女性団体であるLPSAを「連盟に反する団体」と位置づけてることに呆れ、その対立に市民大会を運営する一般のファンを巻き込み、言うことを聞かないと「除名する」と恫喝した連盟に激怒したのです。
「三崎支部について」とだけ題されたもので、
という内容でした。マグロ名人戦は三崎マグロ大会実行委員会(元連盟三崎支部)が主催し、神奈川県支部連合会と将棋連盟が協力している32回の歴史ある大会でした。
しかし、女流棋士会が分裂後、この大会はLPSAが協賛となり永く協力してきた日本将棋連盟に対しては「後援」、LPSAは協賛という扱いでした。
三崎支部はLPSAに協力している方と、意見の違う支部会員の方が新しく立ち上げた横須賀支部に分かれました。
これは三崎支部の会員が決定したことです。
横須賀支部に対して全面協力と信頼関係を密にして普及に努めております。
これに対する2chでの反応は、
と即座に酷評され、「連盟に反する団体」=LPSAとの印象を強くさせただけでした。614 :名無し名人 :2009/04/17(金) 19:48:17 ID:wkAxg9rX
>>607
いったい何があったのか全然説明になっていない
615 名前: 裏響 ◆DQY5Oo4xQM [sage] 投稿日: 2009/04/17(金) 19:48:47 ID:k9ArjxOj
>>607
誰かの文体にそっくりだなぁwwwww
662 :名無し名人 :2009/04/17(金) 20:55:22 ID:6GoPJ2pM
今回のお知らせで連盟本部の意に反する団体とはLPSAだという事がはっきりしたわけだね〜。
大丈夫なの?こんなこと書いてw
この読みにくいお知らせを解釈すると、
・32年も後援してきた連盟に対して「後援」で、LPSAは「協賛」とはけしからん。
・三崎支部の分裂は、支部員たちが勝手に決めた事。
・三崎支部にも連盟派はいて横須賀支部に移ったよ、こっちは応援するよ
ということになるかと思います。が、解釈まで含めても、
と将棋ファンの怒りのポイントを理解してないことには変わりありません。650 名前: 名無し名人 [sage] 投稿日: 2009/04/17(金) 20:33:34 ID:vm1pBr3S
〜略〜今回の一般ファンを巻き込む仕打ちは納得できんな。
さらに騒動の発端となった鵜川氏のブログでも
と思わせぶりに書いたところまで完全に否定されました。連盟の後援は6年前からで、それは大きくなったマグロ大会に県連からの実行委員会への依頼によるものでした。
10名の支部会員は、3名が支部名人戦などの連盟主催の大会に参加するため横須賀支部を立ち上げ、残り7名は支部会員となることを拒否しました。
今後は、三浦市民としての将棋大会の実行委員会としてその10名がその実行委員となります。
米長会長自らお書きになったと思われるこの「お知らせ」はこのままスルーされていくのかと思われました。
しかし、その二日後また話題になりました。2ちゃんねるで、
との書き込みがあり、829 :名無し名人 :2009/04/19(日) 22:47:56 ID:qxEv23ib
>>828
残念! 「将棋連盟三崎支部」は過去にも存在していません。
鵜川氏がblogで三浦支部を書き間違えただけ。
ところが将棋連盟までそれに釣られて「三崎支部」と書いてしまったw
と三崎支部ではなく三浦支部が正しかったようです。その結果863 :名無し名人 :2009/04/19(日) 23:17:54 ID:IqD+LOcK
ここには三浦支部となっているね。(横須賀支部はまだない)
総本山しっかりしろよ。
関東地区の支部一覧(2007年4月1日現在)
http://www.shogi.or.jp/branch/sibu_list/kantou.html
と馬鹿にされ、わざわざ蛍光色で発表した米長会長渾身のお知らせは、内容を否定されただけでなく2ちゃんねる情報をそのまま書いて支部名を間違えるという置き土産を残し、「蛍光ペン」と揶揄されて終わる散々な結果となりました。875 :名無し名人 :2009/04/19(日) 23:29:54 ID:QQELiTvm
架空の支部が廃止になったと聞いて飛んできました
ちなみにその後、
とあり、投稿時刻もそのままで、三崎を三浦と直しただけの「お知らせ」にこっそり差し替えられていました。956 :名無し名人 :2009/04/20(月) 12:01:18 ID:62vQY+sR
w 何事もなかったのように三浦支部に訂正>連盟HP
差し替え前(魚拓)「三崎支部について」
差し替え後「三浦支部について」
しかしなぜ将棋ファンの方はこのお知らせを米長会長が書いたものと即座に断定したんでしょうか。
米長会長は、個人のホームページとして、「米長邦雄の家」を持っています。その中に「さわやか日記」というコーナーがあり、そこで毎日日記をつけて公開していらっしゃいます。
例えば、マグロ騒動が始まった日の日記では、
などとその日あった出来事をこまめに記載しています。出産 投稿者:米長邦雄 投稿日:2009年 4月15日(水)14時13分33秒
火曜日は花曇り後雨。それも夜遅くは豪雨でした。八重桜になりました。カイドウもきれいです。
やっぱり今日も将棋会館です。
不況のさ中ですが、なんとか収支バランスを保つことが出来そうです。3年連続。フーッ。疲れる。
免状署名100本。
交渉事で会長が直接というのがひとつ。いわゆるトップ会談ですね。これは決定するまでは個人のホームページでは書けません。楽しい建設的な話し合いです。
夕方になって岩根忍女流二段が出産準備のために、4月17日の倉敷に於けるマイナビ女子オープンは延期と決定。急にバタバタと各部が動き出します。
夜は国会議員の先生方と話し合い。近頃は日本将棋連盟の悪口を国会議員に吹聴している人が居るそうです。
文体は特徴的で最後に余計な一言をつける癖があります。
等と日記の最後に一言付け足す感じが、「これは三崎支部の会員が決定したことです。」と同じ印象を受けます。また連盟に残留した女流棋士を引き合いに出すなど微妙に「2ch」での議論にリンクさせる思わせぶりな書き方も「蛍光ペン」の特徴と同じです。・会長は多くの人の意見には耳を傾けますので、自分の本意とは逆の方向へ進まなければならないのかなぁ。 (4月16日)
・午後2時からは、LADIES HOLLY CUPが2局。村田智穂、室田伊緒、里見香奈。キラリっ娘もいてやっぱり女流棋士は華があります。 (4月17日、お知らせ掲載日)
・HPの「将棋の話」は私の普及への基本方針です。是非エールを。(4月19日支部名ミス発覚の日)
・公益法人改革もあれば棋士会もある。清水市代、矢内理絵子二人も参加するようです。私は参加しませんけどね。(4月20日こっそり訂正日)
あの「お知らせ」を書く立場の人はおそらく将棋連盟でも理事クラス以上に限られますが、他の理事のメンバーの文体とは明らかに違います。将棋連盟理事の方は、「将棋世界」などの専門誌や自らの著書で執筆したり、あるいはテレビ解説やイベントでもお話しされるので将棋ファンなら大体文体や内容で特定できてしまいます。
例えばですが、同じ人が書いたとされる将棋解説書でも「〇〇の頭脳」と「〇〇の法則」では、片方が本人、片方がゴーストライターと見分けてしまうのがコアな将棋ファンです。(書名は架空のものです)
もちろん職員が書いたものとは思えませんし(職員なら真っ先に支部名を確認するだろうし)、そんなこんなで将棋板の住人達は、米長会長本人が書いた文章だと断定したのだと思います。
まぁ確認しようはないですが、日記を愛読してる私もそう思うのでそういうことにしておいてください(笑)。
そして4月28日、この米長会長の「さわやか日記」が更新されました。
と、遂に会長本人が初めてマグロ名人戦騒動について触れたのです。マグロ大会 投稿者:米長邦雄 投稿日:2009年 4月28日(火)16時29分7秒
昨日はいろんなことがあった日でした。
三崎マグロ大会については、近々全容が明らかになることと思います。最終報告によれば、当事者の話をねじまげて吹聴した者が問題とのこと。それに基づいて、その情報を正しいと信じて日本将棋連盟やその支部、あるいは会長の私への非難をされた方々とは早急に話し合いをしたい考えです。
神奈川県連合会と連盟職員には瑕疵はありません。
弁護士の先生も、将棋の駒を愛しているビルのオーナーにも、その点を原点まで検証していただき「悪いのはこれだったのか」という結論を出していただきたく存じます。共通認識が出来れば幸いです。
文中の「弁護士の先生」とは、LPSA独立問題以来の宿敵「錦織淳」LPSA名誉会長、「将棋の駒を愛するビルのオーナー」は発端のブログを書いた駒職人の鵜川善郷氏のことだと思われます。
また文中に出てくる神奈川県(支部)連合会とは、三浦支部や横須賀支部などの神奈川県下の支部を統括する組織ですが、実際は支部の持ち回りでやったり適任者のいる支部でやってもらったりすることも多いです。
と2ちゃんねるでもワクテカです。450 :名無し名人 :2009/04/28(火) 19:38:23 ID:h1nM8ano
>最終報告によれば、当事者の話をねじまげて吹聴した者が問題とのこと。
さてこれを誰にするつもりかw
「近々全容が明らかになる」としていることからゴールデンウィーク明けにでも連盟の公式発表があると思われ、どういう言い訳を連盟がするのか、誰をスケープゴートにするのかで盛り上がります。
また、4月30日には、「米長邦雄の家」の別のコーナー将棋の話にも日記を再掲載し新たに
と付け加えられました。この件につきましては神奈川県支部連合会や職員とも直接、複数同士で会い確認しました。
○連合会、職員の仕事には瑕疵がない。
○現時点では大人の対応をしておく。
○そのうえで誤解、誹謗中傷、業務妨害に当たることをしている人に対してはどうすべきかを検討。
○早急に話し合いが必要です。オープンの席で全てを明らかにすることが大切かもしれません。
事実を曲げて吹聴した人と、それを広めることに努力した人がいるようです。
米長マニアの私が解釈してみると
・連盟には落ち度はない
・当分は訴えないけど訴える準備は進めるよ
・訴えられたくなかったら一回話し合おう
・話し合いも拒否するなら、全部オープンにしちゃうよ
ということだと思います。
前回の「お知らせ」で惨敗したとは思えない強気の姿勢です。
また、「事実を曲げて吹聴した人と、それを広めることに努力した人がいるようです。」と最後に余計な一言を付け加えるなど、マニアの私などが喜びそうなサービス精神も健在です。
判官贔屓の日本で、町興しの市民大会を運営する主催者に「除名」を突きつけた将棋連盟。一見して完封負けの状況ですが、米長会長は40過ぎて名人になった男です。名人になるために鳥取砂丘まで出かけてオールヌードを撮影したり奇策奇道にも通じています。
何か策があるのでしょうか。







