ならば「元LPSAファンの反応を」と思い、「1DAY」のスポンサーを2度もやり、LPSAと「どうぶつしょうぎの事業化契約」まで結んだベンチャー企業社長を取り上げたのですが、「LPSAファンではない」どころか「将棋ファンですら」なかったようです。
男性理事二人の件もそうですが、LPSAには、愛してもくれない利用するためだけに近寄ってくる男にばかり恋する「ダメンズ」属性があるのでは?と思えてきます。
対局拒否事件では、「女流棋戦のスポンサー」からも反応が出ています。
まずは、騒動の中心にあるマイナビ女子オープンのスポンサー株式会社マイナビの小川明久氏から見ていきます。
同氏は、もともと早稲田大学将棋部で主将を務めており、様々な学生タイトルを取ったこともあるアマ将棋界の強豪です。
1月31日対局ボイコット翌日に、小川氏は、自社のホームページに「マイナビ女子オープンに寄せて」というタイトルで記事を掲載しています。
中身を見てみると、冒頭で現在進行中の第6期マイナビ女子オープンの盛り上がりをアピールしたあと、
としています。それはさておき、LPSA、将棋連盟が相次いで当棋戦に関する記者会見を行った。第6期から私は契約担当ではなく、経緯を説明することはできないが、両団体の女流を公平に応援してきたという自負がある。
今は直接の担当者でないとしながらも「両団体の女流を公平に応援してきたという自負はある。」としており、LPSAを入れた三社契約に基づく棋戦設立して以来、6年間続けてきた強い想いと誇りが感じられます。
続けて、マイナビ社内の将棋部の例会に、渡部愛さんに来てもらい指導対局した時のエピソードを紹介しています。
と、元学生将棋界の雄である小川氏に、渡部さんは勝ったようです。渡部さんはチャレンジマッチ、一斉予選で顔見知り。とにかく対局態度が立派で、「LPSAで最もプロらしい女流」と石橋さんに話して苦笑いされたこともある。
指導対局といっても、実は平手のガチンコ勝負。国沢が討ち取られ、私と決勝戦を行うこととなった。終盤、詰まし損ねて逆転負け。
「終盤、詰まし損ねて逆転負け」と、将棋を指す人には伝わる悔しさの滲み出た書き方をしているので、本気で対局した結果ということが分かります。
さらに記事では、その後、
と聞かされ、アマ強豪である小川氏としては、本当は自分が渡部さんに勝って、打ち上げの食事の席で、彼女(渡部)から言われた。「石橋(女流)さんから小川さんと国沢さんにだけは負けないように、と言われてきました」。
とアドバイスするつもりだったのが負けてしまったので言えず、「仕方なくうなだれていた。」と言う光景がユーモラスに紹介されています。「実力を付ければみんながプロと認めてくれる。それが勝負の世界だよ」
ここから、同氏の記事は現在は修正済みですが、修正前のキャッシュを2ch有志が保存してくれていますので、それを元に続けます。
としています。石橋(女流)さんは、将棋で負かせばわれわれが応援してくれると踏んだようだ。というわけで、渡部さんがプロとして活動することには賛成だ。
元学生チャンピオンとしては負けたらこう言わざるを得ませんが、そこを微笑ましい日常の情景として描写しています。
しかし、ここから一転して、
として記事を終えています。・ただそれとLPSAが独自に女流を作る権利とは別問題
・レベルを顧みず、量産されたら棋戦運営に支障をきたす恐れ
・LPSAは、規定を公開する前にスポンサーや連盟に説明する義務があった
「規定を公開する前」とは、LPSAが2012年7月に公益法人化に伴って発表した「棋士規定」のことです。
最後の主張の部分だけ、簡単にまとめると、
ということになるかと思います。昨年7月の渡部さんの新人デビュー前に、LPSAは関係者に根回しをしておくべきだった
この部分を削除した理由は不明ですが、デリケートな部分であることから仕方ないかという気がします。原文のままでも別におかしなところはなく、社会人、組織に属した経験のある人なら当然の感想ではないかと思います。
次に、マイナビ女子オープンと同じく「アマチュア出場枠」のあるリコー杯女流王座戦の担当馬上勇人氏のツイートを見てみます。
リコー女流王座戦は、マイナビ女子オープンより更に新しく2011年に出来た棋戦であり、優勝賞金はマイナビと同じ女流棋戦最高額の500万円。更に、リコー女流王座戦は、女の子の「奨励会員」も出場できるという画期的な棋戦でもあります。
そして、この新しい棋戦設立に奔走したのが、リコーの馬上氏となります。なお、同氏もまた学生将棋出身で、リコー将棋部に所属する強豪アマです。
さっそく同氏のツイートの中身を見てみましょう。
としています。そもそも今回の騒動の発端はLPSAが公益社団法人の認可を受け、渡部愛女流3級の誕生を発表した後のこの一言。「今後につきましてはスポンサー各社と話をし、公式戦にでれるように交渉する」
これは、最初の小川氏同様、昨年7月の渡部愛新人デビューの時を指しており、奇しくもスポンサー筋では問題発生の時期に関しては見解が一致しています。
さらに
と説明しています。何で女流棋士の認定基準をスポンサーと調整するのか?意味がわからない。うちもはじめそれは「将棋連盟と話をしてくれとしか回答のしようがない。」
マイナビさんもうちも、他のスポンサーも何度も「それは将棋連盟と話をしてくれ。」とLPSA石橋代表に話をしたが理解してもらえなかった。恐らくそれは過去の経緯から将棋連盟と話をしても無駄だと思ったからだろう
LPSAは、渡部新人女流を発表した後になってから、マイナビだけではなくリコーや他のスポンサーにも「認定しろ!」と要求していたようです。
そして、これまで何度も説明したとおり「専門外だから競技団体同士で話してくれ」という当たり前の返事をリコーもしたそうです。
しかし、これをLPSA石橋女流は理解してくれなかったとしています。続けて、
と馬上氏は、マイナビが言いたいであろうことを代弁しています。いつまでたっても将棋連盟と話をしないLPSA代表陣。そしてマイナビさんはどうしようもなくなって将棋連盟、LPSAに対して最後通牒をした。両者が検討する時間を十分に与えた上での通告だった。
さらに続けて、
と切実に訴えます。当ブログ風に言いかえると、「どうして将棋連盟ではなく、スポンサーにまで言いがかりをつけるのか?」と言うことになるかと思います。今回の一番の問題は女流棋士の認定基準ではない。将棋界同士の問題にスポンサーを巻き込んだのが一番の問題だ。何故、将棋界を応援したいというスポンサーを裏切るような行為をするのか?
マイナビさんは将棋世界や週刊将棋をはじめ、レディースオープン時代から長きにわたって将棋界をサポートしてきた。何故それを裏切るようなことをするのか?
そして、
として、LPSAを真に応援してきたのはマイナビであることを訴えています。今回、マイナビ女子オープンを立ち上げた女性の責任者は将棋も全く知らなかったのに、将棋界をそして女流将棋界を応援しようと本当に一生懸命にがんばってきたのに何故それを裏切るようなことをするのか?
心中を察すると本当に悲しくなる。マイナビさんはまだLPSAが未熟だったころから応援し、だからこそ三社共催にしてきた。何故それを裏切るようなことをするのか?
独立したばかりの頃のLPSAは、分裂騒動の余波で「棋戦への参加」もどうなるか予断を許さない状況にありました。
そんな中で、同じ年に立ち上げたマイナビ女子オープンは、進んでLPSAを共催者と迎えてくれた経緯があるのです。このあたりの詳細は、女流分裂騒動の他の事例と同じように不明な点が多いですが、マイナビによって、将棋連盟とLPSAは同格扱いされたことになり、将棋連盟としては相当面白くない思いをしたと想像されます。
つまり、少なくともマイナビは、連盟から恨まれることはあっても、LPSAから感謝されることはあっても恨まれるようなことはしてないのです。
ちなみに、リコー杯女流王座戦の方は三社共催ではなく、連盟との二社契約です。
二社契約の理由は、もともと女流王座戦はエントリー方式で運営しており、女流棋士であっても個人でエントリーするかしないかを決められるシステムだから、というのが一つにあります。将棋の「プロ」と「アマ」の違いは、「出場する義務」があることと以前説明しましたが、女流王座戦ではこの出場義務がないエントリー制というところにも大きな特徴があります。
そして、
と錦織弁護士や庄田理事が、交渉の場に介入してきたことを窺わせる内容の発言もありました。将棋界の問題に何故、弁護士やら将棋のこともよくわからない理事がでてくるのかさっぱり意味がわからない。
最後に、
として終わっています。これからの将棋界のことを考えると本当に不安になるし、悲しくなる。
最後に一言だけ言いたい。公益社団法人というなら、あなたがやっていることは本当に公益なんですか?自分には理解できない。
(略)誤解のないようにお願いしたいのですが、LPSA3級をスポンサーが認めないとはいっていません。連盟とLPSAで調整してくれといっているのです。女流棋士の基準をスポンサーが決めていいのですか?ということです。
最後の部分では、LPSAがあくまで「女流認定をスポンサーが判断すべきだ!」と要求するなら、
ということになるかと思います。「なら今後、新人女流認定はLPSAの権限ではなく、スポンサーの権限となりますがそれでもよろしいですか?」
正論としか言いようがありません。
マイナビ将棋部と渡部愛女流の、とある日常の交流を描写して、優しく応援し諭してくれた、マイナビ小川氏。
火の粉が飛んでくるのは分かっていながら、敢えて正面から正論を熱く語ってくれた、リコー馬上氏。
両氏の発言は、読んでいて胸が切なくなるほどに将棋や女流棋界への想いが込められており、それがファンにも伝わり、その結果、両氏が所属するスポンサー企業自体が、
と実感され、ファンからの感謝や信頼感として帰ってくることになると思います。本当に将棋を愛しているだけでなく、女流棋士の発展を願い、LPSAのことも大切にしてくれていた
どこぞの1DAYスポンサーが、
と言いつつ、せっせと「どうぶつしょうぎアプリ」を作って販売しているのに比べれば、マイナビやリコーは、「ファンとしてではなくビジネス目的で近づいた」って、会社なんだからそんなの当たり前だろ、ばーか。どんだけ脳味噌お花畑なの?(原文ママ)
と言うのが、ファンの方或いはファンでない方にも、分かっていただけると思います。全然違う次元でスポンサー企業となってくれていた
同列に「スポンサー企業」と並べるのも、失礼に思えてきます。
サッカーなどが顕著ですが最近のプロ職業はいずれも、
の三者の関係を重視するようになっています。プロ団体・スポンサー企業・ファン
意味は違いますが、LPSA設立時に中井広恵代表(当時)が掲げたLPSAのコンセプトも、
です。3つの「わ」
「ファン」に謝罪せず、LPSAを大切に思っていてくれていた「スポンサー」にも罵声を浴びせ続けていては、もう「輪」どころか「線」にもなりません。
このままではLPSAが、将棋界にぽつんと浮かんだ「ただの点」になる日も近いのかもしれません。
石橋さん個人が突っ走ってる。
中井さんは元々我関せず、他の女流棋士も見て見ぬフリ。
LPSAの立場を上げるために矢面に立たされた渡部さんはLPSA側に利用され非常に可哀想にみえます。嫌気がさしているのは目に見えて分かります。
連盟の「LPSAを窓口にはしない」「個々に交渉する」「渡部愛さんについて特例を認める」これらの対応から考えると、石橋さん以外LPSAを辞める人が続出する可能性も出てきますよね。