2016年10月15日 (土) | Edit |
予想通り、連盟は、ことの重要さが分かってなかったようです。
事例をあげて説明したいと思います。
概要
「アテネ五輪 男子ハンマー投げドーピング事件」
ハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)がドーピング規定違反で失格。2位の室伏広治が金メダルに繰り上がった。
経緯
1位であったアヌシュには、以前から選手の間でドーピングを疑われていた。
しかし、競技後の検査では陰性であった。
試合後室伏選手は、アヌシュが、
「(誰もが精神集中する競技中から)頻繁にトイレに行っていた。」
「にもかかわらず、競技後の検査で一番最初に尿を出し提出した。」
と不審を訴え、JOCからIOCに要望書が出され、IOCは再検査を決定した。
しかし、アヌシュは再検査を拒否。
この再検査拒否により、金メダルのはく奪が決定し、室伏が繰り上がりで金メダルとなった。
なお、ドーピングの事実は不明のままだが、尿自体がアヌシュのものではなく別人のものとも判明している。
備考
・アヌシュは、以前の国際大会で4回のドーピング検査をパスしている。
・これを盾に「メダルを日本の室伏に奪われた」と声明を発表していた。
・その後、尿道から他人の尿を流し込み、すり替える手口が明らかとなり、第一種ブラックリストに登録された。
・この時、銀メダルに繰り上がった選手は、次の北京五輪でドーピングがばれ、一旦裁判で勝つもアテネから8年後の2012年に新検査手法で再検査した結果、禁止薬物の陽性反応となりメダルがはく奪された。
類似点
1、不審な行動を対戦者が申告
競技中に「頻繁にトイレに行っていた。」と室伏が申告(アヌシュ)
対局中に「頻繁に離席していた。」と棋士5人が申告(三浦)
2、処分方法
再検査拒否による金メダルはく奪。(アヌシュ)
休場届未提出による出場停止処分。(三浦)
3、真相不明
ドーピングの有無は不明(アヌシュ)
ソフト利用の有無は不明(三浦)
相違点
1、厳密な規定の有無
ドーピングに関しては厳密な規定があり、手続きも規定されていた。
将棋連盟は、包括的な倫理規定や別目的の規定を援用して適用した。
2、真相究明への態度
ドーピングでは、メダルはく奪処分には影響しないにも関わらず、他人の尿であることまでは特定している。
また、8年前の検体を新手法で再検査し直してまでドーピングを見破るなど、
一方、将棋連盟は、
私見
今回の三浦九段への処分経過、量刑の問題については、上記事例から見て概ね妥当と思う。
問題なのは、将棋連盟の真相解明や不正摘発への態度だ。
ネット上で言われている、警察への告訴(偽計業務妨害)や民事裁判での追及はおろか、たったの一回の聞きとり調査で、しかも否認されているにもかかわらず、将棋連盟はもう調査はしないと宣言しています。
ドーピング対策と比べれば、一目瞭然の大差で、
一回話を聞いて「濡れ衣です」と言えばそれ以上は追及しないとなれば、使わないと損です。
今後の対策をしっかりして再発防止策を講じるから・・・というのは、ドーピング対策をこれだけやっても(選手のプライベートを破壊しても)なくならないのを見れば詭弁だと分かります。
リオ五輪では、テニスのシャラポワをはじめ、ロシアの選手が大量にドーピング違反となり出場禁止となり、プーチン大統領自らが「欧米の不当な圧力だ」と激怒し、圧力をかけています。
しかし、スポーツ関係者、アンチドーピング機関関係者は動じませんでした。
それに引き換え、将棋連盟は圧力をかけるどころか
ソフトの使用を容認というのが、誇張やミスリードではなく、正真正銘の将棋連盟の判断だと分かってもらえるはずです。
本気で対局でソフトを使用可とするロードマップを決心したなら、今回の対応を否定しません。
・過去に棋士とソフトでタッグを組ませた対局も行われており、
・人間同士の対局より、更に価値の高い棋譜の創造がなされ
・ドーピング同様、どうせ防ぎきれないなら最初から認めよう
というなら、良し悪しは別にしてむしろ英断だと思います。
今後も見ていきたいと思います。
事例をあげて説明したいと思います。
概要
「アテネ五輪 男子ハンマー投げドーピング事件」
ハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)がドーピング規定違反で失格。2位の室伏広治が金メダルに繰り上がった。
経緯
1位であったアヌシュには、以前から選手の間でドーピングを疑われていた。
しかし、競技後の検査では陰性であった。
試合後室伏選手は、アヌシュが、
「(誰もが精神集中する競技中から)頻繁にトイレに行っていた。」
「にもかかわらず、競技後の検査で一番最初に尿を出し提出した。」
と不審を訴え、JOCからIOCに要望書が出され、IOCは再検査を決定した。
しかし、アヌシュは再検査を拒否。
この再検査拒否により、金メダルのはく奪が決定し、室伏が繰り上がりで金メダルとなった。
なお、ドーピングの事実は不明のままだが、尿自体がアヌシュのものではなく別人のものとも判明している。
備考
・アヌシュは、以前の国際大会で4回のドーピング検査をパスしている。
・これを盾に「メダルを日本の室伏に奪われた」と声明を発表していた。
・その後、尿道から他人の尿を流し込み、すり替える手口が明らかとなり、第一種ブラックリストに登録された。
・この時、銀メダルに繰り上がった選手は、次の北京五輪でドーピングがばれ、一旦裁判で勝つもアテネから8年後の2012年に新検査手法で再検査した結果、禁止薬物の陽性反応となりメダルがはく奪された。
類似点
1、不審な行動を対戦者が申告
競技中に「頻繁にトイレに行っていた。」と室伏が申告(アヌシュ)
対局中に「頻繁に離席していた。」と棋士5人が申告(三浦)
2、処分方法
再検査拒否による金メダルはく奪。(アヌシュ)
休場届未提出による出場停止処分。(三浦)
3、真相不明
ドーピングの有無は不明(アヌシュ)
ソフト利用の有無は不明(三浦)
相違点
1、厳密な規定の有無
ドーピングに関しては厳密な規定があり、手続きも規定されていた。
将棋連盟は、包括的な倫理規定や別目的の規定を援用して適用した。
2、真相究明への態度
ドーピングでは、メダルはく奪処分には影響しないにも関わらず、他人の尿であることまでは特定している。
また、8年前の検体を新手法で再検査し直してまでドーピングを見破るなど、
という厳密な姿勢を示している。「たとえ何年経ってもドーピングを犯した選手は決して見逃さず処分する」
一方、将棋連盟は、
と、三浦九段の再調査しないことを宣言している。日本将棋連盟は13日、今後、追加で調査する考えがないことを明らかにした。
連盟常務理事の島朗九段は「三浦九段を出場停止処分にしており、聴取は尽くした。こちらから連絡するつもりはない」と話した。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/10/13/kiji/K20161013013528460.html
私見
今回の三浦九段への処分経過、量刑の問題については、上記事例から見て概ね妥当と思う。
問題なのは、将棋連盟の真相解明や不正摘発への態度だ。
ネット上で言われている、警察への告訴(偽計業務妨害)や民事裁判での追及はおろか、たったの一回の聞きとり調査で、しかも否認されているにもかかわらず、将棋連盟はもう調査はしないと宣言しています。
ドーピング対策と比べれば、一目瞭然の大差で、
したと言えます。対局での将棋ソフトの使用を実質容認
一回話を聞いて「濡れ衣です」と言えばそれ以上は追及しないとなれば、使わないと損です。
今後の対策をしっかりして再発防止策を講じるから・・・というのは、ドーピング対策をこれだけやっても(選手のプライベートを破壊しても)なくならないのを見れば詭弁だと分かります。
リオ五輪では、テニスのシャラポワをはじめ、ロシアの選手が大量にドーピング違反となり出場禁止となり、プーチン大統領自らが「欧米の不当な圧力だ」と激怒し、圧力をかけています。
しかし、スポーツ関係者、アンチドーピング機関関係者は動じませんでした。
それに引き換え、将棋連盟は圧力をかけるどころか
の中で、真相解明を望む声一色
したのです。再調査といっても、最初の調査さえろくにしてないのに、大したものです。再調査はしないと決定
ソフトの使用を容認というのが、誇張やミスリードではなく、正真正銘の将棋連盟の判断だと分かってもらえるはずです。
本気で対局でソフトを使用可とするロードマップを決心したなら、今回の対応を否定しません。
・過去に棋士とソフトでタッグを組ませた対局も行われており、
・人間同士の対局より、更に価値の高い棋譜の創造がなされ
・ドーピング同様、どうせ防ぎきれないなら最初から認めよう
というなら、良し悪しは別にしてむしろ英断だと思います。
今後も見ていきたいと思います。
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